24年前の自分からのメッセージ

黄色くなった本があります。
夫が24年前に買った本です。
ルイーズ・ヘイの「ライフ・ヒーリング」です。


アメリカでは知らない人はいないかもしれません。
この本は世界中で、3500万部以上も売れています。
ルイーズは、幼い頃貧しい家庭に育ち、近所のアル中男にレイプされ、
家を飛び出し、食堂のウェイトレスをして生活をし、
16歳になったばかりに出産し、その子を里親に預けました。
その後、モデルになり立派な男性と結婚するのですが、捨てられました。
良いことは長続きするのだと思い始めた矢先だったそうです。
その後、彼女は生き続けました。
カイロプラクティックを学んだり、心の浄化や、TM瞑想をやりました。
そして、身体に現れる症状の原因は心にあるという講義をするように
なりました。
そんな時に、癌の宣告を受けたのです。
心が身体に影響を及ぼす、、そういうことを教えていたルイーズですら、
最初は完全なパニックに陥りました。
ルイーズは、こう定義しています。
「不治の病とは、外から治療しようとしても治せない特別な状態、
つまり内心を探っていかなければ治せない状態を意味する」と。
また、こんなふうにも言ってます。
「ガンや他の病気が再発した場合、『すっかり取り除かなかった』のが
原因なのではなく、患者に精神的変化が見られなかったからだと
私は考えます。」
彼女は、こう考えました。
「ガンの大元である精神的パターンを取り除けば、
手術の必要もないだろう。」
そして、足の反射学や食事療法をやります。
もちろん、心にも取り組んだのは言うまでもありません。
「自分を慈しみ受け入れることが良いことで、しかも本質であることを
悟りました。」と言っています。
そして、幼少期からの恨みがちな、非難がましい態度を解放しました。
ルイーズは、手術をしませんでした。
6か月後、ルイーズの信じていた通り、医師は言いました。
「ガンは跡形もなく消え失せている。」
彼女は、言います。
「大悲劇が転じて、この上もない幸せになることも人生には
ままあるようです。」
私は、ルイーズが大好きです。
彼女が、自分で人生を変えられると気付いたのは40歳の時だそうです。
私はそれを50歳で気付きましたが、
何歳でも遅すぎるということはないようです。
実は、この黄色くなった「ライフ・ヒーリング」のいちばん最後の
ページに、夫が小さく何か書いていました。
『1991年10月6日 渋谷  「慈しむ」 』
夫は、この本を渋谷で買ったのでしょう。
夫が、この本から受け取ったメッセージは「慈しむ」だったのです。
これが、夫がいちばんにやるべきことなのです。
慈しみとは、「敬意と愛情の交じった強い感情」と辞書にあります。
自分を愛し、大事にすることがいちばんの処方箋なのです。
これは、24年前の若き夫から、今の夫へのメッセージなのです。
誰でも、自分には何が必要なのか、ちゃんとわかっています。
古びた本の小さなメモを見て、時空を超えた思いを感じました。
その気になれば、あなたを助けてくれる処方箋は必ず見つかります。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。