アニータの無条件の愛のエネルギー

深~い変容のお手伝い!
問いかけと潜在意識のプロ福井てるこです。

 

私はこれまで沢山の本を読んできましたが、今なおいちばん好きなのはアニータ・ムアジャーニさんの「喜びから人生を生きる」です。悪性リンパ腫の末期に危篤状態に陥り、意識の目覚めをしたという内容ですが、その描写が素晴らしく癌や病気以外の人が読んでも興味深いと思います。この本を推している私に会ってみたいと治療院においでになる方も時々いらっしゃいます。先日もアニータ繋がりでいらっしゃった方がいました。その方のおかげでまたあの感動を思い出すことが出来ました。あの愛のエネルギーに繋がることが出来たのです。本当にありがとうございました。

 

 

2014年の夏、アニータが初来日したのです。講演会とワークショップがありました。すでに大ファンだったのに私はその情報を知りませんでしたが、ある患者さんから教えて頂きギリギリで申し込みすることが出来たのです。私は肝臓癌の友人と誘い合わせて参加しました。ワークショップの会場は200~300人ほどいたでしょうか。椅子に座ることも出来ず、床に寝たまま話を聞いている患者さんもいらっしゃいました。

アニータは言いました。「私のように臨死体験のようなことがなければ病気が治らないと思わないでください。誰でも可能だということを伝えるために私はこうして活動をしているのです。」ワークショップの中に質問タイムもありました。乳がんになり、これから治療を始めるという女性が質問しました。「病院の化学療法と自然療法とどっちがいいと思いますか?」アニータはこう答えました。「どっちでもいいんです。」

会場中が一瞬ざわめいたような気がしました。アニータなら自然療法がいいと言うに決まっていると誰もが思っていたでしょう。もちろん私もそうです。ところがアニータはいとも簡単に「どっちでもいい」と言ったのです。そしてこう続けました。「あなたが病院の治療を、これをしたら良くなる気がする!と愛やワクワクした気持ちで行うならばそれは効果があるでしょう。そして、これをやらなければ死んでしまうかもという怖れの気持ちから行うならば、あまり効果はないでしょう。自然療法でも同じことです。やらなければいけないと思うならあまり効果はないでしょう。これいいかも!と楽しい気分で行えば効果が出るでしょう。」そんなようなことを言いました。そのきっぱりとした、そして明るくて軽やかな態度を今でもハッキリと覚えています。そうなのです。大切なのは、何をするか(Do)ではなく、どうあるか(Be)なのです。なので、同じ治療をしてもその人の在り方により結果が違ってきてしまうのです。

そして実は、さらに感動的な場面がありました。私はこれを思い出すと、書いている今も涙が出てきます。もう一人、別の男性が質問したのです。その方は患者さんではなく、健康食品?サプリ?を作っている会社の方のようでした。質問タイムなのに、なんとその方は自社の製品がどんなに素晴らしいかを延々と語り出したのです。(え?何、この人!おかしいんじゃないの?)癌の患者さんが大勢集まるアニータのワークショップにやってきて自分のところの健康食品?の宣伝をするなんて!私だけでなく会場中の人が怒りとイライラでいっぱいだったと思います。ところが、アニータは何も言わず顔色一つ変えず、その男性の話を聞いていました。すると・・・突然その男性が言葉に詰まり・・・泣き出したのです。「(アニータに向かって)あなたは、先程の話で自分を愛してくださいと言っていたけれど・・・私は・・・私は自分を愛したことがなかったかもしれない・・・」その男性は突然号泣し始めたのです。私もこうしてこれを書いている今も涙を止めることが出来ません。

その時、私の隣には有名な治療家の方が座っていらっしゃいました。その方は小さな声で「すごいね・・」と呟いていました。突然、一人の人間の意識の変容が起こったのです。どうしてそういうことが起こったのでしょうか。質問したい人は他にもたくさんいるのに、そしてもっと有意義な質問があるだろうにと会場中が怒りでいっぱいだったのに・・・。アニータは何も言わず、その男性の自慢話のような宣伝のような話を聞いていました。ただ軽やかに聞いていただけなのです。そして、その男性は嗚咽し始めたのです。

あれから何年も経っています。あの時、一緒に参加した肝臓癌の友人は二年前に亡くなりました。アニータのことを思い出すと私はいつもあのワークショップの男性を思い出し、胸がいっぱいになります。当時は何が何だかわからなかったけれど、今なら言葉で説明出来ます(もちろん、皆さんはわかっているでしょうし、言葉で説明する必要は本当はないのですが)。あれは、愛です。アニータを通して流れた愛のエネルギーです。愛は単なる優しさやベッタリした感情ではなく、ノンジャッジのエネルギーなのです。あの男性は、いいとか悪いとかの条件づけのない無条件の愛のエネルギーに触れたのです。そして彼のハートが開いたのです。あの場面を思い出す時、今もなお私はあのエネルギーに繋がることが出来ます。もう会うことはないでしょうが、あの男性に本当にありがとうを言いたいです。あの男性が会場中の人のハートを開くきっかけを作ってくれたのですから。そしてまたアニータの言葉を思い出します。「愛から行動するか、怖れから行動するか」愛を選ぶ時怖れはないし、怖れを選ぶ時愛はないのです。私たちはどちらかしか選べないのです。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。