幸せはいつも目の前に。

メリークリスマス!
そして、今日は私の55歳の誕生日なんですよ。

 

 

最近、夫がこんな独り言を呟いています。
「味覚が残っていて良かったなぁ。」

布団に入っても何度も何度も呟いています。夫は2012年に悪性脳腫瘍を告知され、手術・放射線・抗がん剤をしました(抗がん剤は途中でぶっちぎりましたけどね)。脳腫瘍だと、腫瘍が出来た部位によって様々な機能が失われることが多いのです。夫の場合は知能と視野が欠けました。働けなくなって、自営の整骨院を閉じることになりました。

それでも夫はこう言うのです。「てるちゃんの料理を味わえて良かった。頭はバカになったけど、味覚が失われなくて本当に良かった。」夫はしみじみ言うのです。それに対して私は何も応えることが出来ません。あまりにも胸がいっぱいなのです。

かつて・・・
どうしたら自分は幸せになれるのか、私はずっと探していました。しかし、何をしても心からの幸せを感じることは出来ませんでした。幸せとは遠い未来になれるものだと思っていたのです。

しかし、夫の病気によって・・多くのものを失ったことによって・・幸せを感じることが出来るようになりました。皮肉なものですね。幸せとは物でも環境でもなかったのです。当たり前ですけど。何も揃っていなくても、幸せを感じることは出来ます。そのために様々なものを剥ぎ取られたのかもしれません。こうまでならないと私にはわからなかったのですね、きっと。

ベタな話かもしれませんが、夫はそれを教えてくれたのです。これだけで私の人生はOKです。これを・・この感じを・・私は何万年も探し求めてきたのかもしれません。

かつて、夫がプロポーズしてくれた時こう言われました。「僕は、てるちゃんが幸せを感じられるような環境を作るように努力はするけれど、幸せを感じるかどうかはてるちゃん次第なんだよ。」本当にその通りでした。夫は約束通り、私が今この瞬間幸せを感じられるような環境を作ってくれました。そして、私はそれを感じることの出来る人間になれました。人生って本当にうまく出来ています。素晴らしいですね。メリークリスマス!

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。