大海の水・・・マンタと私

禅か何かにこんなことが書いてあったような気がします。
魂は、本来は一つの塊だと(ワンネスですかね?)。
大海みたいなものだと。
人が生まれる時(人じゃなくても動物でも)、お椀でその水をすくうようなものだと。
ある人はマグカップで、ある人はアルミのお鍋で、ある人はバカラのグラスで、
大海の水をすくうのです(それが誕生ですね)。


本来、魂は一つなのですが、そういった容器に入れてしまうと
一人一人分離した感覚が生まれます。
また、本当は中身の水が自分自身なのですが、容器自体を自分自身だと
錯覚してしまうのです。
しかし、「形あるものは、いつかは壊れる」ので、容器は壊れます。
そして、中の水はまた、大海に注がれます。
あれー、本来は私は一つだったのだ。大いなるものの一部だったのだ。
しかし、また、何かの容器に注がれ、自分を容器だと勘違いしてしまうのです。
昔、ちゅら海水族館に行った時、一匹のマンタと目が合いました。
どうしても、そのマンタから目が離せなくなり、
向うも私をじっと見ています。
なんだか、不思議な気持ちになってきました。
彼は、あの容器(マンタの姿)に入っているだけだ。
彼の中身は、私と同じものなのだ。
そんな気がしてきました。
なんだかわからないけれど、「イノチ」というものが入っているのです。
私にも、マンタにも、たぶん、世界中のすべてのものに。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。