一言の力

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一言の力

2015-02-11

私は20代の頃、過食症でした。
きっかけは、ささいなことでした。
劇団に所属していた私は、役作りのために体重を落とす必要があったのです。
学生時代からぽっちゃり体型で、あまり気にしてはいなかったのですが、
「真夏の世の夢」のパックという走り回るいたずらっ子の妖精役に抜擢され、
ダイエットをせざるを得なくなったのです。


体重は簡単に落ちていきました。
初めて見る自分のスマートな姿に、世界が変わりました。
しかしそのうち、太ることに恐怖を感じ、食べられなくなってしまったのです。
そしてある時、食べても吐けばいいんだと気付きました。
コンビニに行き、パンやお菓子を買いこみ、一気に食べて、一気に吐く・・・
むなしい、悲しい行為でした。
いつしか、仕事や恋愛で上手くいかなくなると「食べ吐き」の癖が出るようになっていました。
それは、劇団をやめても続きました。
イライラすると、コンビニに走り、食べて、吐く・・・
当時の私にとっては、食べることそのものが恐怖になっていました。
そんな生活が2年ほど続き、このままではいけないと思い始めました。
しかし、自分の力ではどうすることもできないように思えました。
そして、勇気を出し病院に行ったのです。
心療内科だったのか、今ではもう忘れましたが、
医師のあの一言はいまだに忘れることが出来ません。
一通り状況を話し、下を向く私に女性医師がこう言ったのです。
「吐きたい時は、吐いていいんですよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一瞬何と言われたのか、その言葉が理解できませんでした。
目から鱗が落ちるとはこのことでした。
「吐きたい時は、吐いていい。」
それまでは、吐いてはいけない、食べ吐きする自分はだめな人間だと
そんな思考でいっぱいでした。
それが、吐きたい時は吐いていいと医師は言うのです。
私は、肩の力が抜け、ぼおっとしたまま会計を済ませて帰りました。
ものごとは、本当に逆説的です。
やってはいけないと思うと、やりたくなる。
やっていいと言われると、やらなくなる。
一体あれは何だったんだろう、というくらい簡単に過食症が治りました。
本当に、人生は逆説的です。
そして、自分を縛っているのは自分でしかありません。
違う視点で見てみたら、あっという間に問題解決です。


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