「癌と心」 ヴィパッサナー瞑想修行 その7

それは、9日目のことでした。
私は18時からのグループ瞑想で、
瞑想ホールに座っていました。


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何故だかわかりませんが、
この合宿に参加するにあたって
ついた嘘について思い出しました。
初日は後ろめたさがありましたが、
上手く誤魔化していたのです。
もちろん多少気になってはいました。
が、たいしたことではないとも
思っていました。
しかし、思い出した途端
頭がぶんぶん左右に揺れ出したのです。
けっこう早く揺れます!
昔、ロッキード事件か何かの
証人喚問でペンを持つ手が震えて
書けなかった人がいましたよね?
あんな感じで、自分の意志では
止められないのです。
瞑想中は、一度姿勢を決めたら
動かさないほうが良いとのこと。
また、目を開けないでとのこと。
しかし、そんなことを言っている場合
ではありません!
駄目だ!!!このままでは
どうにかなってしまうと思い、
目を開け、頭を下向きにして
やっとのことで止めました。
罪悪感、恐怖などなどの嫌な感情が
膨れ上がり、私はリタイアを
考えました。
9日目の夜だというのに、です。
しかし講師の先生は優しく
詳しく話を聴いて下さり、
最後までやったらどうか、と。
そして、こうおっしゃいました。
「自分の中の罪の意識・・・
そういったものが身体に影響を
与えることもあるのです。
心が体を攻撃するのです。」
それから後の瞑想では
ピタリと揺れがなくなりました。
どんな小さな嘘でも嘘はいけませんね。
他人に対してもですが、
嘘はまず自分を苦しめてしまうのです。
嘘の大小ではないことがわかりました。
そして、嘘から目をそらそうと
していた自分を認めただけで
(許した、とか高尚なものでは
ありませんよ)
雲散霧消するなんて!
小さな澱でも
こんなに身体に影響が出るなんて。
ヴィパッサナー瞑想での発見は
本当に「体験的」です。
私の鍼灸院には癌の方も
いらっしゃいます。
癌のような塊りを作ってしまう
思考や感情ってなんだろう・・・
心と身体の関係にますます
興味が湧いてきてしまいました。
ヴィパッサナー瞑想では
渇望も嫌悪も「平静」に見ていきます。
渇望系の体感は細やかな
さざ波のような体感だそうです。
嫌悪系の体感は、粗雑な、粗削りな、
鋭い固まった体感だそうです。
「固まった」?
癌はカタマリだから、
嫌悪系(怒り、憎しみ、恨み等)の
感情が解放されずに溜まって
いるのではないかな?
だとしたら、戦うと余計抵抗が起きる。
つまり嫌悪の方向に向かうから
退縮しないんじゃないかな?
ひょっとしたら
「平静」に見つめて感じたら
癒されるんじゃないかな・・・
これだけ癌が難しいのは
難しい・怖い・強敵だと考え、感じ、
強い抵抗(嫌だ嫌だ嫌だ、早く治したい
早くこの状態を変えたい!
こんな状況は嫌なんだーー!)
が、かえって長引かせているのでは?
お釈迦様の智恵ではそういうことだな。
そんなことも考えていました。
(続く・・・)

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。