「腰痛は怒りである」

という言葉は、有名ですね。
ご存知ですか?
私は、鍼灸マッサージ師でもありますが、そんなことは治療者の間では当たり前のことです。
以前勤務していた整形外科では、どんなに治療しても治らなかった肩の痛みが
メンタル系のお薬で、さぁーっと治ってしまった方もいました。
ジョン・サーノ医師の「ヒーリング・バックペイン」という本を読んだだけで
(つまり理解しただけで)しつこい腰痛が治った方もいるそうです。


どんな内容かというと、
潜在意識の中にある不安や怒りから目を逸らすために、脳が体に痛みを感じさせるというものだそうです。
この場合に起こっているのは、筋肉・神経・腱などの血流減少ということです。
さらに重要なのは、「痛みを治すには、原因となる不安や怒りを無くすことではなく、
痛みは、自分の不安や怒りから来るのだということを理解し、
潜在意識に浸透させることだ。」ということです。
以前、NHKでも放送されていましたが、「腰痛の3割(本当はもっと多いかも)は心因性だ」と、
ある国立大学の教授がおっしゃっていました。
患者本人にとっては死ぬほど辛い痛みが、なんと心が原因だというのです。
病は気からと言いますが、これは腰痛以外の病気にも当てはまるのではないでしょうか?
数年前に、20代の男性患者さんが、鍼灸治療に来られました。
いくつかの整形外科に行き、整体やカイロを受けても全然治らない、ということでした。
私ごときが何が出来るのだろう・・・
ただただ、話を聴きました。
そうすると、なんだか見えてきたのです。
「痛い!痛い!」と強く訴えるその背後に見え隠れする本当のことが!
その男性は、職場のモンスターな上司が嫌だったのです。
しかし、育ちの良さからか、誰かを嫌いになるなんてことは出来なかったのです!
パワハラモンスター上司に激しい怒りを持ちながらも、誰にも打ち明けられずに
一人苦しんでいたのです。
それが、心ではなく、腰痛に出ていたのです。
激しい激しい腰痛でした(怒りもそれだけ激しかったのでしょう)。
日々、痛い部位が変わりました。
私は、そこに着目し、夏樹静子さんの「椅子がこわい 腰痛放浪記」を読むことをお勧めしました。
感の良いその男性は、その本に載っていた夏樹さんの腰痛を治療した医師のところに
即、予約を入れました。
そして、あっさりビンゴ!
心因性だったのです(いわゆる仮面うつ病というものだったようです)。
私の鍼治療も続けながら、職場にも復帰し、配置換えをしてもらいました。
今では、自分の心の声を聴きながらとても健康的な生活を送っていらっしゃいます。
私は、腰痛以外の様々な病気も心が深く関係している場合があると考えます。
鍼治療をしながら、世間話をしているように見えますが、
実は、その方の価値観やエネルギーを感じています。
考えて分析しているわけではありません。
東洋医学の診断法は、望聞問切(ぼうぶんもんせつ)といってかなり五感を駆使します。
私の場合は、さらに全体からざっくり感じられるエネルギーを大切にしています。
その時、まるで催眠療法のセッションのように、実は共鳴しているのです。
というか、治療者は患者と同期化してしまうのです。
患者さんを診ながら、自分の心や体に湧きおこる「感じ」を感じとって治療しています。
目に見える症状の奥にある、本当の「訴え」に着目しなければ治癒は遠いかもしれません。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。